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アルツハイマーのことがよくわかる
アルツハイマーを含め認知症の解説本は多いが、認知症になっていく発症初期の過程が記載されている本は少ない。体験談を中心に論を展開しているので、発症した人の内的世界を肌身に感じ取ることができる。アルツハイマーを含め、認知症になった人や支える家族の心境を理解するにはとても役立つ。
著者は父親の遺した絵画や小説、日記の変化からアルツハイマーの怖さを述べており、疾患に対するネガティブな見方が見られる。だが、絵画に関しては表現性が多彩になっているように感じられるところがあり、アルツハイマーという疾患を、ひいては人間の老いの意味を考える上では貴重で刺激的な資料だと思う。
文庫本で低価格なので、アルツハイマーを含め認知症の人の生きた世界を理解したいと思う人にはお勧めする。
体験談中心。解説書の性格は薄い。
(1)どんな本か
著者の父親は、教師、政治家、会社経営などの経歴をもち、また、絵画や文章も達者なアクティブな人物でもあった。およそボケることがないようなタイプの人物・生活であったにもかかわらずアルツハイマーになったこと、なった後は能力や性格が著しく変調をきたしていくことが、著者の体験や父親の残した絵画・文章をもとに、赤裸々に書き込まれている。
また、その時々の対応や介護の方法について「もっと・・・のようにすればよかった」と、後悔の念が頻繁に出てくる。
客観的な解説本ではなく、ほとんどが著者と父親にまつわる体験談を書いた本である。
(2)ためになるか
著者の体験が赤裸々に書かれており生々しい。アルツハイマーの具体例を知ることができる。
ただ、著者にとって極めて重い体験であったためか、何度も何度も同じようなエピソードや著者自身の気持ちが書かれ、少しウンザリする。
一方、客観的な解説は分量が少なく、記述もあまり上手とは言えない。十数年間このテーマを追ってきたというわりには、その成果が乏しい。自分自身が介護に直接あたっていたわけではないので、具体的な介護ノウハウが得られるわけでもない。
アルツハイマーについて客観的に知りたい人や具体的な介護ノウハウを得たい人には期待はずれの本だと思う。